印象に残った寿司屋ののれんの話
最近は回転寿司の勢いに押されて,昔ながらの寿司屋というのが少なくなったように感じます。が,そんな回らない寿司屋に,印象に残るのれんがあったのです。
デザインや色遣いは,どうということのない普通ののれんでした。が,のれんの端がいつも薄汚れているんですね。どういうことかと疑問に思っていたら,ある日その寿司屋から出てきたお客が,のれんの隅で指を拭いているような感じ。察するに,手についた醤油をのれんでぬぐい取っていたのでしょう。のれんの端がいつも汚れていたのは,醤油だったんです。謎が解けると同時に,のれんで指を拭くというスタイルの寿司屋は,どんな寿司を食わせてくれるのか非常に興味を持つようになりました。ある日,念願叶ってその寿司屋で食事をすることができました。もちろんおいしかったのですが,気になったのは店を出るときにのれんで指を拭くことだけ。それほどにあこがれたのれんで指を拭ける寿司屋でした。